もうちょっと・・・

 
信号待ち。

<デイサービス・金太郎>と書かれた軽が止まった。

その後ろには<桃太郎運送>と書かれたトラックが。

その後ろは・・・<浦島太郎>ではなかった。

当たり前か。


場所は、豊中市の庄内。

今週から、庄内や服部辺りを行き来している。

押入や箪笥の下から出てきた新聞の記事が懐かしくて、思わず手を止めて読んだりするような。

どこかに行こうとして買ったけど、結局いらなくなった切符がポケットの奥から出て来た時のような。

この辺りは、私にはそんな具合なところだ。

たしかに変わったところも多い。

ほんでも、小さい頃の知り合いに今になって会っても、変ったと言えば変わったのかも知れないけども、

変わってないといえば変わってないような感じ。

久し振りに歩いて、そんなふうに感じた。


ところで、家の爺さん。

板門店って中華料理屋ごっついみたいやなぁ」とか「ソウル・ミュージックって韓国の民謡やろ?」な

んて言ったりする天然ではある。


その爺さんが今日、病床から「もうちょっと、夢みててええか?」と言うた。


・・・これホンマね。


ウロが来た。ようするに狼狽えたのだ、私は。


もう、そこがどこだか、私が誰だかもわからんようになってるけど。



だから、こっから先は夢を破られることのないようにしてやろう思う。




そんだけ。