2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『Mの出家とIの死』

僕は自分が病人であり、貧人であり、低人であるが故に、自分と同じような人々と苦悩や悲哀を 分かちあいたいと思っているだけだ。(『Mの出家とIの死』) 辻潤はこんなことを書いている。 ようするに、辻潤は、自分の苦しみを書くことで、他人の苦しみを癒…

ど ア ホ!

前にも書いたことあるけど、『全国アホ・バカ分布考』(松本修)によると、近世の京・大阪ではバカも アホも共存してたけど、元禄時代にはアホが上方では圧倒的となってたらしい。 そんな経緯もあってか、東京の人は「アホ」と言われると怒るし、逆に、大阪…

すかたん

こないだ、「ポン太爺」さんがコメントで<すかたん>という言葉を使ってはった。 ポン太爺さんは<すかたん>を「罵倒してるのに"愛と諦め"を感じさせる」言葉と書いてはった。 たしかに、そんな感じや思う。 私が小さい頃には、大阪でもまだ普通に使われて…

お鹿婆さん

暑いでんな~ ほんまに、えげつない暑さですなぁ そうですなぁ。なんやこの頃はけったいな具合ですなぁ いや、ほんま、ほんま ところで、どこ行きますの? いや、チョッとそこまで。あんさんは? ええ、わたいもチョッとそこまで? ひょっとして<そこ>って…

理不尽

中一の夏休みやったと思う。 十三は栄町通りの裏道をヘコヘコ歩いとったら、前から歩いてきたオッサンにどつかれた。 すれ違いざまに。 「くっそぉ~、暑いんじゃ、ボケェ」言いながら、見ず知らずの私をボコッ!と。 その後に学校で「理不尽」という言葉を…

『どうすればいいのか』

彼は、もしワイマールの王室でピアノを叩かなければ、野に出て麦笛を吹くであろう -M・シュティルナー しつこく、辻潤のエッセイ集を追っかけます。 『どうすればいいのか』は、昭和4年(1929)4月の発行されてます。 辻潤、三冊目のエッセイ(か、どうかわからん…

ビアガーデン

婆さんの容体が不安定なままで二週間。 当然のように、日々の暮らしは何かと不安定な状態でかろうじて成り立っている。 とにかく暑い。 考えてみれば、安定しているのはビンボーくらいかも知らん。 これだけは、自慢できる。 でも、そのビンボーも、私の場合…

『享楽の意義』(「ですぺら」収録)

今回も、辻潤二冊目のエッセイ集『ですぺら』からのものです。 そうそう、『ですぺら』は、desperateのことやと思います。 で、紹介する『享楽の意義』。私の能書きなしの方が絶対にええので、そのまま一部を掲載します。 もし、?な所があるようでしたら、…

『ふもれすく』(「ですぺら」収録)

僕のようなダダイストにでも、相応のヴァニティはある。 それは、しかし世間に対するそれだけではなく、僕自身に対してのみのそれである。 自分はいつでも自分を凝視めて自分を愛している、自分に恥ずかしいようなことは出来ないだけの 虚栄心を自分に対して…

『浮浪漫語』

<僕は時々出来るなら、国籍をぬいてもらいたいものだと思うことがある> こないだ、こんなコメントを書いて、ありゃ?となってしまった。 どう考えても、これは辻潤なのだ。 ところで、避暑変りに、爺&婆&ビョーキ男の三人とも入院したので、ゆっくり出来…

あしが・・・

あ っ? あ し! あ し が!! ・・・・・・・・・ くっそぉ~ みじかい。(^^) 失礼しました。 m(_ _)m

『自分だけの世界』

自分の生きてゆく標準を他に求めないことである 辻潤は『自分だけの世界』で、こんな事を書いております。 ところで、唐突に「のり弁」です。 少し前に、竹原慎二のブログを覗いてみました。 「じゃあの」です。 本人が、面白がっているから、けっこう楽しい…

『無想庵に与う』

「如何に生きるべきかをつとに止めてしまった僕には、とり立てて口にすべき問題はないのだ。」 こんな事を、辻潤は書いてます。 昭和6年(1931)の6月、雑誌『かめれおん』に掲載された『無想庵に与う』というエッセイ。 これは、後に『廃人の独語』に収録…

適 塾

むかし、学習塾に関係した仕事をしてたことがある。 若い男が、営業やらせてくれと言ってきた。 素晴らしく健康な脳味噌を持った、気持ちのいい男だった。 ただ、教育産業には何の関係もなかったし、本人も受験も進学も関係のない過去だった。 そういう私も…

『歴史上の本人』

仙台四郎、大村益次郎という人の名前が話題の中にあった。 その話をした人にも言ったのだけど、この二人で思い出す本がある。 南伸坊の『歴史上の本人』だ。 書名の通り、南伸坊が歴史上の、本人になりきっているというケッタイな本だ。 当然だけど、ケッタ…

すじゃーた

先だって、「レーコー」と「フレッシュ」について書いたりした。 「上方レーコー&フレッシュ」って、なんや売れへん漫才師みたいや。 そう言うたら、まえに「関西たまう&しろてん」について書いたこともあった。 それは、ともかく「フレッシュ」? 大阪で…

フレッシュ

どうせ勝ち目はないと思いながらやってみた。 一杯180円の安モンの珈琲屋で。 ここは、『冥土カフェ』と名付けたところだ。 「レイコー、フレッシュ抜きで」 「???」 予想通りの結果だった。 この辺りの話は、嘉門達夫の『関西キッズ』を聴けばよくわ…