2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

浪花節…東家楽燕の『召集令』

【再上映です】 よう似た状況になってきたなぁ思うてます。 そう言えば、よくワーキング・プアってのを本人努力とか学歴とかそんなもんで理解する人もいるようだ けど、必要な数とそうでない数の線引きには人格も能力も関係ない。 外に植民地が作れなければ…

工事現場

家の近くで工事が続いている。 今朝、家人のリハビリに付き添い工事現場の横を通った。 頭らしい男が、その日の段取りと注意を力のこもらない声で投げかけている。 「西陽あびる 金魚鉢の中の金魚のように ひと言もなく生き延びる」 自らの詩集にそう書いた…

きつね丼/信太丼

ミンチカツ。 東京はメンチというらしいが、大阪では絶対に「メンチ」と言わない方がいい。 横に怖いお兄さんが立ってたりすると大変なことになる。 「メンチ下さい」 (`□´)「なにぃ~、こらぁ、メンチきるんかい!ええ、根性しとるやんけ。ちょっとおいで…

腐っても鯛~林芙美子は辻潤の事をそう云った

昭和4年。貧乏で全く無名であった詩人の処女詩集に辻潤は石川三四郎とともに序文を書いている。 詩集の題名は『蒼馬を見たり』、著者は林芙美子。 辻は「あなたが、ニセ物の詩人でないということがなにより先に感じられるのです。あなたは詩をからだ 全体で…

シロ天・・・たったた玉う

ソース。 東京に住むことになっても、蕎麦やうどんの出汁の色にはビックリせんかった。 そういう話はよく聞いてたから。 前から思うてることがある。 蕎麦の出汁にうどん入って、うどんの出汁に蕎麦入ってるのとちがうやろか。 そやから、東京・大阪ともウワ…

神農さん

大阪の北浜(中央区)近くにあるのが少名彦神社。 →http://www.kusuri-doshomachi.gr.jp/sinno/sinno.html 神農さん(しんのうさん)と親しまれ、日本の薬祖神である少彦名命(すくなひこなのみこと)ととも に、中国で医薬の神様である神農氏(しんのうし)…

エンヤコラセェ~ ドッコイセ♬

マキノ雅弘監督に『仇討ち崇禅寺馬場』があります。 →http://www.asahi-net.or.jp/~uy7k-ymst/orm2/orm26.htm 私はテレビ(KBS京都の「中島貞夫の邦画指定席」)で観ました。いい映画です。 この「崇禅寺馬場」。 河内音頭のいちばん古い形といわれる八尾…

何が私をかうさせたか

昭和元年(1926年)の今日、7月23日。 金子文子が亡くなってます。 月は照る月は照らせど人の子は果なき闇路を辿りつゝあり 人がまた等しき人の足になる日本の名物人力車かな 独り居る春の日永し監獄に繰り返し読むスチルネルかな 谷あひの早瀬流るゝ水の…

ハンバーガーショップについてのだらだらした話

嘉門達夫のハンバーガーショップ →http://trypod.hp.infoseek.co.jp/diary_ofukai_song.htm これはやっぱりオモロイなあ。 ずいぶんと前に【環境命】の男に借り出されて、ISO14000を批准するためのシンポジュウムを手伝った事 があります。 その時に、たしか…

市井の中の辻潤

彼の周囲にはいつも市井のルンペンや労働者が集まっている。 人生に敗惨した失職業者や無職者は、彼によって自分の家郷と宗教とを見出すのだろう。耶蘇の弟子たち が漁師や乞食であったように、辻潤の弟子もまた市井の「飢えたるもの」、「貧しきもの」の一…

桶屋

少し前に、用事があって育った街を歩いた。 多くの工場は移転し、残った所も24時間操業は昔の話し。工場の操業にあわせて賑わっていた駅前の飲 み屋街も、昼は閉めている店の方が多くなっている。 飲み屋のほとんどが24時間営業だった頃、キャバレー周りの…

小田原の山内我乱洞さんいわく、辻潤はシソーカではないよ

ここからの話は、高木護さんが我乱洞さんの所に、「辻潤」の取材に行ったときのやりとりをまとめてみ たものです。 <山内我乱洞、辻潤を語る> 辻はシソーカではないよ。辻は誑しだな。 彼は思想家だったが、彼自身は、自分を思想家だとは思ってなかったの…

大工のせがれ

大工のせがれが家に来た。 大工のせがれといっても、あの人ではない。 リアルに大工のせがれ。 不景気の子沢山で、今はタクシーの運転手やってるって聞いてたけど・・・。 「まだ、JAZZのレコードとCD残ってません?」 「知っての通り、貧乏こじらせて…

これといった者になれなくても、爺さんになれたら、それでよいではないか

これといった者になれなくても、爺さんになれたら、それでよいではないか。 高木護さんは書いてはります。 高木護さんの『爺さんになれたぞ!』は影書房より2004年3月に出版されております。 高木さんは1927年生まれですから、今年で79歳になられるはずで…

下品な言葉

ちなみに私は品がないです。 箸の持ち方もいまだに変です。 一応の言い訳は、小さいころ箸の主な機能が、突き刺すと引き寄せるだったからかと思います。 それはそれとしての話です。 その人は唐突に私に話しかけてきました。 「大変ですね」 「いえ、どうも…

かんかん→キンキン→かんかん

熱い。 と書いても間違いではないくらい暑い。 しかも蒸し暑い。 こないだ寄せてもらったブログ。 「わたしは、冷やしうどんが食いたい」と書いてあった。 ワシも食いたくなった。 うどん屋に入った。 店外はかんかん。 店内はキンキン。 笑福亭仁鶴ふうにい…

ひそかに咲いて、ひそかに腐る花もある… 辻まことの「辻潤」

辻まことは辻潤の息子です。辻潤と伊藤野枝の間に出来た子供です。 それはそれとして、辻まことも画家であり、詩人でもあります。 たしかに、辻まことは「おやじと一緒の墓に入りたくはない」と言っております。 しかし、私はそれを生活者のレベルでの発言と…

蒸し暑い、息苦しいといえば田中真理・・・場内酸欠のアホ記憶

京都は京一会館。 私が映画鍛えられたのはこの映画館です。 スクリーンに俳優の名前が出るだけで、場内から拍手が起こるってケッタイな映画館でした。 まだビデオなんかなかった頃ですので、俳優が昔の自分が出た映画観に来たりしてました。 私が見たのは松…

萩原朔太郎・・・辻潤を語る

<朔太郎の辻潤への手紙> 御手紙うれしく拝見いたしました…日本の現存する文学者で、僕の敬意を表する人物は、漸く四五人に しかすぎませんが、大兄もその一人で日本に於ける稀なる存在として、特別に敬愛をもつものです。… 思想上や感覚上で、深く文学上の…

『伊豆の踊り子』を読んでたりする

区立図書館は家から五分のところにある。 図書館がむやみに近いから、今のところに住んでるのではない。 図書館が勝手に近くにやって来ただけのこと、しかし便利はいい。 図書館の近くにスーパーとコンビニもあるので、本棚と冷蔵庫はいらない。 そんな話は…

稲垣足穂・・・辻潤を語る

ここにある一代の審美的存在、辻老が見本である。 唯美主義者の結果はとはかくの如しで、しかしかくの如くでなければ本物だとは云えないのである。 [ロマンシズムとは没落するものだよ]これは、ロマンチストを標榜して自身はいっこうにそうでない 趣味の士…

しめ鯖男

しょうむない話です。 古くからのアホアホ友達、しめ鯖男 から電話があって思い出した。 僕の前に座ってた前田君。 カタ焼きそばを~皿うどんを、いっときカタ焼きそばとかフライ麺といってた事があります。 そのちから夕焼けソバ って何や? ・・・と言って…

佐藤春夫…辻潤を語る

そのユニークな文学は醜悪に似て豪華、暗鬱にして楽しく自暴自棄ながらに厳粛、つらつら思うに、この 不思議なニュアンスは太宰治の先駆をなすものであった。 幕府瓦解の後、蔵前の札差の家に人となった彼も亦斜陽族で・・・その江戸人の血脈、趣味、教養を…

田中絹代~美空ひばり~鰐淵晴子~吉永小百合~内藤陽子~山口百恵~

【大ざえもん】さんのところでイラスト見てて思いついた。 『伊豆の踊り子』を演じた女優。 こんな感じ。 田中絹代/大日方伝 1933年・松竹・五所平之助監督…白黒・サイレント・初の映画化。 美空ひばり/石浜朗 1954年・松竹・野村芳太郎監督・白黒映画。 …

「スカブラ」でありつづけた人・・・上野英信

2011.3.17 「井の中の蛙 大海を知らず」という。 そうではない。井戸の深さを知りえた蛙は、大海の広さを推測できる。大海を泳いでいるからといって、その大きさを理解出来るものではない。と解釈したのが吉本隆明。 その通りの人がいた。 九州の炭鉱から、…

兄貴とあにき

阪神タイガースは金本知憲 です。 今年、904試合連続出場果たしました。 この頃は、毎試合がセルゲイ・ブブカです。 その金本は、兄貴と呼ばれております。 しかし、大阪でこの兄貴には、二通りの発音があります。 あぁにきぃ と水谷豊風にやると、金本か…

高木護さんのこと

○日 戸畑、残二つ。チュウ二はい。 ○日 戸畑、残一つ。チュウ二はい。少々バテ気味なり。 ○日 戸畑、残なし。チュウ三ぱい。自我教を読む。 ○日 休む。朝から、チュウ二はい。「陀々羅行脚」の"博多から長崎まで"と"島原と天草のグリン プス"を読みふける。…

『破天』 ― 佐々井秀嶺という人

1998年5月11日。BJP(インド人民党)政府は突如、"地下核実験成功"を発表した。 六月十日、デリーの目抜き通りを抜け、国会議事堂に向かって行進していく数千人のインド仏教徒の集団 があった。先頭のトラックに立ち、辺りを睥睨しているのは、僧衣姿の…

書店のたな

その大型書店の担当者は泣いたと書いている。 彼女の担当する棚は、その分野では必読とされる本、新刊、入門書…と見事に関連付けられており、棚そ のものが目録のようなものであり、彼女の仕事の水準を示す棚となっていた。 彼女が泣いたのは、決算間近の会…

シュティルナー的「反逆」をツギハギしてみた

抑圧を受けるのは抑圧者の罪ではなく、抑圧をはねかえすだけの力がないということ。 この非力、それが罪だとシュティルナーは言います。 己の非力を棚に上げて、国家の罪だ、社会の責任だと異議申し立てをしても、抑圧の構造それ自体はびく ともしないのです…