シロ天・・・たったた玉う

ソース。

東京に住むことになっても、蕎麦やうどんの出汁の色にはビックリせんかった。

そういう話はよく聞いてたから。


前から思うてることがある。

蕎麦の出汁にうどん入って、うどんの出汁に蕎麦入ってるのとちがうやろか。

そやから、東京・大阪ともウワァってなんのやないかなあ。

ビックリしたのはソース。

本社に初出勤の朝に、水道橋の朝日食堂(ありそうな店やなぁ)で目玉定食頼んだ。

どうでもいいけど、力入れな思うて生卵もつけたん覚えてる。玉子のダブルです。

ソースかけよう思うたら、たらぁ~って落ち方する。

詰まってんのか思うて、爪楊枝で出るとこ掃除しても一緒や。

そん時、東京は中濃がメインって始めて知ったんです。


「ブルドック」と遭遇した日です。
  


ほんで、書こう思うたんは

1980年はじめの頃の、阪急十三駅の立ち食いソバの話。

東京から来た男と気があって、よう飲みに行ってたんです。

ほぼ毎朝、二日酔いでヘロヘロになりながらも、仕事の前に腹になんか入れなって梅田から十三でい

ったん降りて、阪急ソバ食べてから、それぞれ京都と神戸へ。

奴がいいよった。


「天麩羅蕎麦、<天ソ>って言ってますけど、天麩羅うどんは、どう言うのかな?」


「頼んだらええやん?」


後日、頼んでエライ感動しよった。


「し、し、シロ天!っていってます」


「すごいなぁ!」


「お前、そないな事にいちいち感動しとったら、人生磨り減んぞ」


「でも、シロ天って…」


「ほな、月見はどう言い分けるかわかるか?」


「えぇ~っと、月見ソバと…」


「今度、頼んでみ」


出張から帰ったある日、奴が駆け寄ってきた。大きい会社ではない。ビルの一室です。


「た、た、た、玉う!」


あいつ、どないしてんのかな?



・・・きょうも、暑いですなあ。