何 か 観 た

犬が星見た

武田百合子さんの『犬が星見た』を読んだのも、ずいぶん昔のこと。 書名に惹かれて買った覚えがある。 いい書名やなぁ思うた。 当然やけど、内容もよかった。 ところで、爺さんや婆さんの通夜の時。 近親の子供が棺の周りを無邪気に走り回り、棺の中の顔に「…

笠原和夫

深作欣二の「仁義なき戦い」や山下耕作「総長賭博」の脚本を書いたのが笠原和夫。 その遺作集に『映画はやくざなり』(新潮社)がある。 笠原和夫は2002年12月12日、肺炎で亡くなっている。76歳だった。 「仁義なき戦い」で一貫して描かれていたもの。 それ…

『関の弥太ッぺ』とWikipedia

お小夜ちゃん この娑婆にぁ、悲しいこと、辛えことがたくさんある だがな、忘れるこった。 忘れて日が暮れりゃ、あしたになる・・・・。 あぁ、あしたも天気だ。 先週(2/7)のKBS京都「中島貞夫の邦画指定席」は『二人の用心棒』。 いつも通り何となく観てた…

野獣の青春と河内カルメン

菅原文太と川地民夫の『まむしの兄弟』の話から、川地民夫がええなぁと書いたりしました。 川地民夫で、いちばん印象に残っているものがこれです。 『野獣の青春』。 監督は鈴木清順で、調べたら1963年の封切りとなってました。 私はどっかの場末の映画館の…

ブギウギと黒澤映画

昨日、『羅生門』をテレビでやってたけど細切れにしか観れなかった。 オトンが角淳一病になってしまったのだ。 「私は角淳一です。あなたはどなたでしょうか?」 これをしつこく繰り返したのだ。もちろん自分のことを角淳一とは言えへんけども。 え~と、角…

大阪弁の侠客

きのうKBS京都の「中島貞夫の邦画指定席」で『 明治侠客伝 三代目襲名 』やってました。 監督が加藤泰で1965年の作品。 主演が鶴田浩二で藤純子、嵐寛寿郎、藤山寛美、津川雅彦、安部徹、大木実、丹波哲郎…。 むかし、佐藤忠男のヤクザ映画についての評論…

赤西蠣太

映画『赤西蠣太』が大好きです。 原作は志賀直哉で、片岡千恵蔵が珍しく三枚目を演じてます。 監督の伊丹万作は伊丹十三のお父さんです。 伊丹万作監督は、戦後こんな事を書いたりしてます。 ↓ さて、多くの人が、今度の戦争でだまされていたという。みなが…

蒸し暑い、息苦しいといえば田中真理・・・場内酸欠のアホ記憶

京都は京一会館。 私が映画鍛えられたのはこの映画館です。 スクリーンに俳優の名前が出るだけで、場内から拍手が起こるってケッタイな映画館でした。 まだビデオなんかなかった頃ですので、俳優が昔の自分が出た映画観に来たりしてました。 私が見たのは松…

錆びたナイフ

♪砂山の砂を 指で掘ってたら まっ赤に錆びた ジャックナイフが 出て来たよ♪ ♪どこのどいつが♪・・・とドイツのワールド・カップ。 ニッポン アチャチャでおました。化石のようなギャグですいません。 映画『錆びたナイフ』は1958年の封切です。 この映画…

田所康雄さんの事

伊藤静雄の詩。 行つて お前のその憂愁の深さのほどに 明るくかし處を彩れ と ほんまにオモロイ人やったなあ、そんな喜劇人を思い出すと必ずこの一節が浮かびます。 『男はつらいよ』は渥美清。国民栄誉賞です。 『男はつらいよ』は、結果的に盆と正月の年中…

関の弥太っぺ

関の弥太郎がお小夜に話しかけます。それは探している妹への言葉でもあるのですが。 お小夜ちゃん この娑婆にぁ、悲しいこと、辛えことがたくさんある だがな、忘れるこった。 忘れて日が暮れりゃ、あしたになる・・・・。 あぁ、あしたも天気だ。 京都の映画館…

映画 『けんかえれじい』 のこと

昨日、吉田喜重の映画『エロス+虐殺』での辻潤役(高橋悦史)は、イメージと違うと書いた。 NHK朝ドラでの森本レオはもっと違うと書いた。 その時に、関連して思い出したのが、鈴木清順の『けんかえれじい』。 ここで、北一輝の役で出ていた俳優は、もの…