『関の弥太ッぺ』とWikipedia

    お小夜ちゃん
  
    この娑婆にぁ、悲しいこと、辛えことがたくさんある
  
    だがな、忘れるこった。
  
    忘れて日が暮れりゃ、あしたになる・・・・。
  
    あぁ、あしたも天気だ。

先週(2/7)のKBS京都「中島貞夫の邦画指定席」は『二人の用心棒』。

いつも通り何となく観てたら途中で気がついた。

あれぇ?これ『関の弥太っぺ』やんけ。

長谷川伸原作の『関の弥太っぺ』。

原作を読んだけど、原作をはるかに凌ぐのが山下耕作監督で中村錦之助主演の『関の弥太っぺ』。

東映、1963年の作品。

『二人の用心棒』は、大映、1968年の作品で監督は三隅研次。関の弥太郎は本郷功次郎

あと、長谷川一夫主演の大映、1959年もテレビで観た。


やっぱり、山下耕作の『関の弥太っぺ』だけが突出してる。

ちょっと、山下耕作の作品をWikipediaで見たらこんな具合に書いてた。

「『関の弥太ッぺ』(せきのやたっぺ)は1963年、東映配給網により劇場公開された股旅映画。主演中村

錦之助。監督山下耕作。製作東映シネマスコープ。89分。長谷川伸の同名戯曲を脚色。

叶えられぬ夢を抱えて生きる哀しみを独自のリリシズムで描く。ラストシーン、木槿(むくげ。花言葉

信念)の花の咲く垣根越しの男女のカットは日本映画最高のワンシーンとされる。」(Wikipediaより)

そうそう、最後の方のシーンや。


「ラスト、飯岡衆は約束の場所で弥太郎を待つ。「来ました」「森介は一緒か?」「弥太郎一人です」。

行き止まりの道を歩いてくる弥太郎。笑っている。カメラは背中に廻る。背中が小さく、小さくなる。傘

をポーンと投げる弥太郎。弥太郎の運命を暗示するかのように彼岸花死人花とも呼ぶ)が咲いている。

遠くで鐘がなっている・・・。」(同じく、Wikipediaより)

そうそう、これもええ場面や。


何しろ、10回くらい観てます。

ただ、このWikipediaの記事肝心な部分が違っている。弥太郎のお小夜に対して台詞のことだ。

弥太郎の台詞。Wikipediaではこう書かれている。

「・・・この娑婆には辛い事、悲しい事がたくさんある。忘れるこった。忘れて明日になれば・・・。

(空を見上げて)ああ、明日は晴れだなぁ」

そして、この台詞を話す場面が二度あり、二度とも同じ台詞を話しているとしている。


それは違う。


最後の場面で、弥太郎は「明日は晴れだなぁ」とは言わない、言えるわけがない。

せっかくの記事が台なしになっているように思ったのだ。


●冒頭の台詞は私が記憶している弥太郎の台詞です。二度目には「明日も天気だ」とは言わないです。

●前に私が書いた『関の弥太ッぺ』の記事です→http://blogs.yahoo.co.jp/tei_zin/8532065.html



そんなんです。