下品な言葉

ちなみに私は品がないです。

箸の持ち方もいまだに変です。

一応の言い訳は、小さいころ箸の主な機能が、突き刺すと引き寄せるだったからかと思います。


それはそれとしての話です。


その人は唐突に私に話しかけてきました。

「大変ですね」

「いえ、どうも」

「あなたは幸せですか?」

「はぁ?」

「私たちは、あなたの不幸を・・・」


たしかに、誰が見ても、低所得の高齢者一家ではあります。

しかも、老人二人と意味不明状態の病気男を連れて来た病院の帰り。

だからと言って、不幸だとなぜ決めつけるのか?

思わず言い返した。

きれいに書いてもしょうがない。いつもの言葉で書く。


「まて、コラァ。このクソ暑い中、何ぬかしとんねん」

「お前の親はどうやねん。お前、幸せかって聞くか?」

「飯食えてるか?」

「仕事うまいこといってるか?」

「あいつとうまいこといってるか?」

「そういう具体的なもんしかないやろ。幸せか?やとアホな事訊くな」

「どけ!しばくぞ」

と言ったりした。

たぶん、どこかの神さんか仏さんを怒らしたんだろうと思う。


けど、幸せな人間なんか、この世に存在したためしがない。

幸せだと思う状態が、いつまでも続かないことくらいは子供でも知ってる。


元気のないやつに、

「どないした、悪いもんでも食うて腹でもこわしたか?」とか

「また、ふられてもうたんか」とか

「カネ、困ったんか?」とか言ったりするけど

「お前、幸せか?」なんて、下品な言い方は絶対にせん。


私はいきなり抽象を口にする人を信用しない。


先週末の話。


こうも暑いと、私も怒ったりするのです。