ど ア ホ!

 
前にも書いたことあるけど、『全国アホ・バカ分布考』(松本修)によると、近世の京・大阪ではバカも

アホも共存してたけど、元禄時代にはアホが上方では圧倒的となってたらしい。


そんな経緯もあってか、東京の人は「アホ」と言われると怒るし、逆に、大阪の人は「バカ」と言われる

と怒るというのは、いまだにあるようです。


ただし、夜のお店でオネイサンから「うっふん、バカ?」とか「もう、アホ!」とか言われると、全国共

通でオッサンは怒りもせずにグニャグニャになってしまうらしい。


私も、高校を退学になってから、日雇い仕事なんてのをやってたのですけど、同級生から「お前、アホ満

開やなぁ」なんて誉め言葉をもらったりもしました。

そういえば、この世に使命を持って生きてはる人から「お前には、生きる資格がないのだ!」なんて、最

大級の誉め言葉をもらったりもしたなぁ。

さすがに、ウロが来て「生きる資格」取得しよう思うたけど、そんなもんはどこにもなかった。

まぁ、あれから三十年、まだ生きてるから、生きるに資格はいらんみたいや。


だいたいに、生まれたゆうこと自体で生きる資格ありやちゅうねん。


そやから、みんな好きなように生きればええのだ。


大きく話を戻して。

この頃は、本を読む、音楽を聴く、映画を観るは全く出来てないのやけど、特に映画はどうにもならん。

映画館でなくて、DVDでも観ることが難しいので、やや寂しい想いをしております。

津川雅彦初監督の『寝ずの番』。

原作が中島らもです。

これ、観てみたいなぁと思うてます。


「あーちゃん」役で、富司純子がでたりしてるそうです。

「あーちゃん」です。

「よしこさん」は三平。

「たかこ姫」は仁鶴。

そして「あーちゃん」は六代目の笑福亭松鶴でんがなまんがな。


さらに話を元に戻して「アホ」についてです。

その松鶴師匠の話で忘れられんのがありますので、それ書いて終わりにします。

すんませんけど、うろ覚えです。何かの雑誌に載ってた話です。

松鶴師匠が誰かとミナミを飲み歩いてた時の話です。

松鶴師匠、酔っぱらって、黒のスーツの誰が見てもヤバ錦な連中に当たったわけです。


「こらぁ、おのれ何さらすんじゃ。挨拶もせんと」

「挨拶して欲しかったら玄関の戸閉めとけ」と師匠。

それから、松鶴師匠はいちばん強そうなのを指さして、こう言います。

「親の仇!」

「何ゆうとんねん」

「お前やな、うちの親父を殺したんは。親の仇、覚悟せい!」

「アホらしい、気ぃ狂とんか」と言いながら連中は、気味が悪いのでとっとと消える。

ここで松鶴師匠が決めの一言。


「アホらしかったら、喧嘩売りくさるな、ドアホ!」


まぁ、こんな話です。


とにかく『寝ずの番』観な気がすまんです。



そんだけ。