靴 屋
オバサンを相手に靴屋のオッサンが名調子。
この靴はなぁ、うっとこの息子がトーダイ受験したときもすべらんかってんで!この靴底見てみ!
店の奥で、息子はうつむいて棚を整理中。
桜は咲いてるけど、まだ肌寒い。
先だって四天王寺界隈を歩いていたら、焼き芋を売ってる店の看板が笑えた。
食べて美味しい!土産にうれしい!カイロの代りにもなる!国産焼き芋!
おいおい、三番目からはいらんやろ。
ものすごくしんどくて、もう駄目なんじゃないかと思ったとき、焼き芋屋が通った。 「やきいもーやきいも、ほっかほかのーやきいもー」と。 そしたら急におかしくなって笑ってしまった。 人がこんなに苦しんでいるのに、なにが焼き芋やと。 でも、それでふっと救われた-中島らも
「人にはみんな、ひとりづつ、『その日の天使』がついていて、どんなに絶望的な気分になっても、様々な姿をした
天使が助けてくれる」と、らもさんが書いてた。
らもさんの焼き芋屋。
今日の私の靴屋。
そんだけ。