賀正ラベル

 
例年、賀正ラベルの貼ってあるビィルを年末から飲んでた。

オカンそしてオトンと連続して逝ってもうたので、しばらく賀正ラベルに縁がなかった。

今年はと思うて酒屋に電話したら、メーカーが作ってないか?こっちまで廻ってけえへん?と言われた。

エライ世の中になってきたなぁ。

ついでに、いつも麦を飲んでるので来年から芋にしようと思うて、芋持って来てくれと頼んだ。

おっ!芋なら今日入ったええのがあるで!一本四千円!

・・・あほ。


仕事してる時に、天神橋筋の「天三おかげ館」で古本市をやってたので、二冊買った。

高木護『現住所は空の下』が千円。

佐野洋子『役に立たない日々』が三百円。

佐野洋子さんの『役に立たない日々』は、前に図書館で借りて読んだけど、三百円やったので買うた。

『役に立たない日々』は、佐野洋子さんが認知症となった母親との最後の日々を綴った『シズコさん』と

ほぼ同時期に執筆されたもん。

高木護さんの本は、読めるだけ読みたいと、この頃思うてます。


もう兄貴と二人になってもうたから、年末モードになることもない。

ほんでも、歳月を自力でチャラにする力のないオッサンには、年が変わるというのは有り難い気もする。



ほな。



 ぶらぶら歩きはじめたときに、これからどこへ行こうかとか、きょうはどこまで行こうかとかは一

 切考えないことにした。

 目標や目的をつくったら、せっかくのぶらぶら歩きが辛くなってきそうだし、制限されそうだった

 からである。

 ぶらぶら歩きはただのぶらぶらだから、自由でなければいけないし、気ままでなければいけないし

 わがままで勝手でなければいけないし、

 いけないということさえ考えないほうがいいに違いなかった。

                             -高木護『現住所は空の下』