ぶ つ だ ん

 
涼しくなったので、床屋に行って一分刈りにしてきた。
 
さらに涼しくなった。
 

床屋のオヤジ、また工作はじめますねん!とニコニコしながら話しかけてきた。
 
このオヤジ、四年前に烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)は便所に置くとええらしいと調べてきて、一年がかりで
 
烏枢沙摩明王を彫ってたりする。
 
彫り上った烏枢沙摩明王、高さ1m50㎝ほどもある立派なもん。
 
しかし、あんたぁ、こんな大きいもん家のトイレに置いたら出るもんもでえへんで。だいたいに手ぇ使う商売してん
 
のに、彫刻刀で指切るやねんて、何考えとんねん!と嫁ハンの怒りを買い、謹慎中であった。
 
 
  そうかぁ、そらよかった。ほんで今度は何作るん?
 
  なんや思います?

  前が便所やったらか、今度は店に置くような商売の神さんみたいなんか?

  ちゃいます。

  ほな、なに?

   ぶつだん!

  はぁ?
 
  仏壇作りますねん。

  なんでまた、仏壇?

 
そっから話は長くなったのであった。
 
ほな。