鯨の目

 
毎年のことやけど、こないだ四天王寺の大古本市行ってきた。

今年もぎょうさんの店が出てたけど、風のきつい日やった。

二番目の店に、箱入りの成田三樹夫遺稿句集『鯨の目』が二千五百円であった。

中を見て、欲しなった。

けど、欲しなった本を全部買われへんから、一巡して他になかったら買うたろ思う
 
て、一巡。

『鯨の目』・・・売れてた。

くっそ~。

成田三樹夫、遺稿句集『鯨の目』より
 
 
     肉までもぬいだ寒さで餅をくい 
  
     奴の背中におぶさっていたあの異形のもの
   
     あとさきもなき不意打ちの誕生日

     目が醒めて居どころがない   

     八方つつぬけの極楽
 

ほな。