カ リ ッ
『ニーチェの馬』を観たんが4月の半ばやった。
映画全編に流れる音楽も吹きさらしの風の音も脳内再生を頻繁にやらなくなった。
けど、一個だけ聴こえ続けてる音がある。
カリッ!という音。
『ニーチェの馬』は、「聖書には、神が6日間でこのクソみたいな世界を作ったという創世記がある。この映画はそ
の時間を逆行していて、日々のうちに何かを失い、やがて終末を迎える。我々は毎日同じような日々を過ごして
いると思い込みがちだが、人生は毎日変わっていくもの。余生は日々短くなり、私を含めみんなが孤独な終わり
を迎える。このような問いかけに触れたかった」と監督であるタル・ベーラ自身は語っている。
で、カリッ!
この音は、逆行して光を失い、火を失いで世界の終わりを迎える中で主人公が、いつもと同じようにだが、火が使
えないから蒸すこともないジャガイモを、いつもと同じように手で皮を剥き、「とにかく食べないと」と生のジャガイ
モをかじるその音がカリッ!
これに特に意味づけをするつもりもない。
とにかく、このカリッ!はいつまでもワテの耳に残るやろと確信しとるような次第です。
ほな。