立飲み

  
1月の終わり頃だった。

<転ばぬ先のSoftBank

こんな立看板が、商店街外れのショップにあったので、携帯で撮ろうとしたら店の人が出てきた。

「何か?」

「いやぁ、お前が先に転んどるがな!思うて記念に」

目の前で撤去されてしまった。


ところで、商店街の中ほどを左に入ると立ち飲み屋がある。

家の側の改札口を降りても飲むところは少ない、反対側に集中している。これはよくあることだけど。

知ってる酒屋のオヤジに、立ち飲み屋やったら客が入るでと勧めたら案の定当たった。

景気が悪くても、仕事を終わって駅降りてまっすぐ帰りたいオヤジは少ない。

ちょっとだけ頭をシビレさせて帰りたい日もある。

ビールと一品、それから酒か焼酎ともう一品。こんな程度だ。


料金は前金制にしている。

小皿に金を置いて注文する。それなら財布の具合に合せられるし、人と飲んでも割り勘の手間がない。

戦後、まだ贅沢税のようなものがあった時、一定の金額(忘れた)を超えると課税されるので、一回の注

文ごとに精算して、出来るだけ負担を少なくしようとしたのだ。

前金制はそんな名残だ。だから古い店は今でもそうしてる。


私もその店に時々は行ってるけど、常連ではない。

立ち飲みといっても繁華街でなく、地元にべったりと張り付いているような店。

そんな店は毎日来る客を常連とは言わないのだ。

そんな店の常連とは、一日に二回以上来る客の事を言うのだ。

そんなんです。