四月

   
「四月馬鹿より俺が馬鹿」

kobatyouさんのブログ『負荷』。去年の四月頃の一言メッセージにそう書いてあった。

そうやなぁと思うてたら、いち年が過ぎた。


そういえば、去年は知り合いが京都まで引っ張り出してくれて花見をした。

その日は黄砂で、京都がばんやりしてたし、私もぼんやりしてた。

今年は行けないだろう。


近くの公園に桜が少し咲いてたので、缶コーヒー飲みながら、ぼぉ~と見てた。

ここまで花見=酒という図式しかなかったから、酒抜きの花見もなかなかのもんやと思うた。

しかし、静かな日曜と言いたいけど選挙カーが頑張っている。

『ロッキーのテーマ』を流しながら走ってるのがいた。

調べたら当落を繰り返している。洒落がキツイ。


今日は四月一日

  武田さんのことを書く。
  
  --というこの書出しは、実は武田さんの真似である。

  武田さんは外地より帰って間もなく「弥生さん」という題の小説を書いた。その小説の書出しの

  一行を読んだ時私はどきんとした。

  「弥生さんのことを書く」

  という書出しであった。


  四月一日の朝刊を見ると、「武田麟太郎氏急逝す」という記事が出ていた。

  私はどきんとした。狐につままれた気持だった。真っ暗になった気持の中で、たった一筋、

  「あッ、凄いデマを飛ばしたな」

  という想いが私を救った。

  「―今日は四月馬鹿(エープリルフール)じゃないか」

これは、織田作之助の『四月馬鹿』からの引用。

武田麟太郎は昭和21年3月31日、肺硬変症により急死している。

武田麟太郎がこの頃気になる。