『死のクレバス』

 
いつものように唐突に、F元君がやってきた。

「おい、10分だけやったらええやろ」と言って、近所の公園に。

毎度のことだけど、私が家に籠もりっぱなしで、干からびないように気にしてくれてるみたいだ。


さらに、毎度お馴染みの、缶ビール&たこ焼きとなるのだけど、ちょっと煮詰まってたので、ワンカップ

&たこ焼きにしてもらった。


さらに、さらに、毎度のことで、一方的に話して、これ読んどけと、シェーンのように去っていった。

前回は、壇一雄だった。

今回は『死のクレバス-アンデス氷壁の遭難』(J・シンプソン、岩波現代文庫)だ。


信じられない事だけど、こんなのが30年以上続いてたりする。

アホ友達の中で、いちばんケッタイな男なのは間違いない。


で、私は調子にのってワンカップ三つも飲んだのだけど、雨が降ったりもした。

旨かった。


そんだけ。



●F元君について