大阪城公園駅

 
用事で環状線に乗って京橋に行く。

環状線に乗るのも久し振りだ。

大阪城公園駅を通り過ぎる。この駅はまだ降りたことがない。

この辺りはむかし、大阪陸軍造兵廟があったそうだ。

東洋最大規模だったから、当然のように米空軍の大爆撃で壊された。


戦後、鉄くずの山となったこの辺りを舞台にした小説が生まれている。

開高健の『日本三文オペラ』は1959年の作品。開高健天王寺区生まれ。

次に、小松左京の『日本アパッチ族』で1964年。小松左京は西区に生まれた。

そして最近では、梁石日の『夜を賭けて』。これが1994年。梁石日生野区生まれ。


戦災孤児となって、大阪や神戸の焼け跡をうろついていた野坂昭如は、その体験を1963年、『エロ事師た

ち』に書く。

舞台は、旭区の千林や森小路界隈。

その千林商店街で1957年に産声を上げたのが、ダイエー


これらは、織田作之助の『世相』以後の大阪の話といえる。

『世相』は戦後の混乱する大阪を、織田作が徹底して調べ上げた作品。

そして『可能性の文学』で織田作は、あれ全部ウソねと書く

『世相』を大阪の天麩羅屋が阿部定を妾にするという無茶な話に仕立てた織田作だが、その世相はしっか

りと調べ上げている。


関係ないけど、少しの間忙しい。


そんだけ。