<見届け人>その②

姉と兄と私。

三人で飲んだ記憶はない。

喧嘩すら覚えがない。

互いに、ココ(家)から抜け出そうと一生懸命だったから、気にする暇もなかった。

だからと言って、三人とも親を恨んだこともない。

家というものが嫌だっただけや思う。

そんな三人が、明日は爺さんの見舞いに行こうと集まって、初めて飲んだ。

まいった。

爺さんは私らより一枚も二枚も上手だ。

皆揃うてんのやったら丁度具合がエエ思うたんか、さっさと逝ってもうた。

3月22日23時3分。

爺さん、お疲れさんやったなぁ。


そんだけ。