いちじく…にんじん…さんしょ…

 
風呂屋に行こうと思い立って行ったはいいけど、時間は二時四十五分。

風呂屋が開くのは三時からで、手元には風呂代の十六円しかない。

 実際、いつだったか、私は千円札をもって風呂屋にいって、釣銭を九百何十何円かうけとった

 時には、入浴しながらその大金が気にかかって、ろくろく身体も洗わないで出て来たことがある。

 その時家に帰って、家内にぶつぶつ言ったので、以後は家内が気をきかすようになったものらし

 かった。

 「しかしあんまり杓子定規に気を利かすのも困るなあ」

 という考えが私に浮かんだ。

 「人生は時に、臨機応変でいかなくっちゃ」

 ・・・略・・・

 私は下駄をぬいでキチンと二つにならべ、その上にぺたりと尻をおろした。

                            -木山捷平『下駄の腰掛』より

散髪屋に行って来た。

月曜日が休みでない=理容組合未加入の店でオッサンの頭一丁上がり代1500円也です。

この散髪屋は、爺さんの憩いの場所やった所。


「こんにちは。え~っと、わたしはどこにかえればいいんでしょうか?」とギャグかましたこともある。

「あんた、ええひとやし、これあずかってください」と新聞紙にくるんだお札を渡したこともあった店。


そんなことで、もう刈る髪もないけど、ときどき行かせてもうてるわけです。

けっこう混んでたので、待ってる間に木山捷平を読んだ。

詳しくはないけど、木山捷平という人はどっかで自分の書き方をいったん壊して、新しい書き方を身につ

けた人のような気がする。

もうちょっと読んでみたいので、また図書館から借りよう思う。


kobacyouさんの『木山捷平の「耳かき」』を転載しておきます。

ここで東海林さだおのことも触れてはります。面白いです。



そうそう、記事とタイトルはなんの関係もありまへん。


まぁ、ちょっとしたギャグゆうやつです。



ほな。