あかるいさびしい

 
歩いて五分の図書館は三階にある。

界隈で、五十、六十はまだまだハナ垂れやから階段を使う。

本を借りられて、健康にもいいわけやから、まことに有り難いこっちゃと思おうとするけど、本当のとこ

ろはかなりキツイ。

ハァハァでたどり着いたら、扉が閉まっている。

ん?休館日?思うたら扉に「消防法改正により扉を閉めておりますので、開けて入館下さい」とあった。

とりあえずは、よかったなぁ。

返してまた借りてくる。

土居年樹『天神さんの商店街』、石原吉郎『望郷と海』、岡本綺堂『半七捕物帖3』を借りる。

後ろの2冊は文庫。最近、文庫を読むのが厳しくなってる。

相変わらず顔と性格はええんやけど、目はますます悪うなったんやろ。

そろそろ眼鏡の替え時かも知らん。


木山捷平をもう少し読みたいと思うけど、中央図書館にしかない。

こうなったら、借りるより古本を探そう。

本を好きになったら「会いたい、見たい、触りたい」となる。

これはオネイサンの場合といっしょやね。


 
      辛 抱

   ほんとのところは

   この世にゐなくてもいいんだけれど

   葬式代がないから

   辛抱してゐるようなものである。

   いやあ

   ずゐぶん

   待たせるなあ。
   
              -木山捷平



あかるいさびしいのような具合や。


この人は、生まれたならしゃぁないと、どっかで腹据えて、生きるを好きになったように思う。



そんだけ。