2008-11-25 かばねやみ…辻潤 辻潤と周辺 #練習用 かばねやみ 港はふける ルンペンの のぼせあがった たくらみは わらで束ねた干し鰈 犬にくわせて酒を飲む むこう遥かに沖見れば ばかに大きなお月様 丸い顔して薄化粧 商売なれば是非もなや やくにも立たぬこのからだ 抱いてねたとてなんとしょう うそで固めた章魚(タコ)の骨 ねッから御役に立てばこそ そこはかとなく吐く息は われにもあらぬ蜃気楼 労して功なく立ち消えて 手も足も出ず白波の かなたにこそは失くせにける― 昭和9年(1934)の作品です。 写真は、昭和18年11月、中西悟堂邸でのもの。亡くなる一年前になる。