愛と希望の街

 
『愛と希望の街』は大島渚の監督デビュー作。

原題が『鳩を売る少年』。

出来上がった映画を観て、松竹の撮影所長はこう言ったらしい。

「大島君。これでは金持ちと貧乏人は永遠に和解できないかのように見える」


  京子:ひどいわ。この鳩をまた売るなんて。人間じゃないわ。そんな事するなんて…

  正夫:すみません。でも鳩を売るの、これが二度目じゃないんです。

  京子:えッ

  正夫:何度も売りました。

  京子:・・・

  正夫:鳩は売られても、買った人の不注意で大抵逃げ帰って来ます。それをまた売るんです。

  京子:それ、サギじゃない。まるで!

  正夫:今までかくしてすみません。言おう言おうと思ってたんですけど。

  京子:この鳩買うわ。もうこの鳩帰らないわよ。いい。

  正夫:ええ。

  京子:もう鳩、いらないの?嫌いになったの?

  正夫:いいえ、(さびしく笑って)でも鳩なんか持ってない方がよかったんです。

                          -『愛と希望の街』大島渚作品集より

昨日、大阪天満宮の青空古本市で『大島渚作品集』を買って、帰りに路地裏の立ち飲みで一杯やった。

みんな、テレビで野球観戦しとる。

日ハムと楽天のオープン戦の何がオモロイねん!と突っ込み入れたら、これ、日本と中国のWBCの試合

ですと真面目に返事がかえってきた。

せっかくボケてんねんから、もうちょっとオモロイ突っ込みが欲しかったなぁ。


♪月がわびしい 露地裏の 屋台の酒の ほろ苦さ 知らぬ同志が 小皿叩いて チャンチキおけさ♪

三波センセのこの歌は、極楽のようなメロディと地獄のような歌詞で歌われてたりする。

地獄も明るければ少しは楽な気がせんでもない。

立ち飲みの安モンの酒で頭痺れさせて、しばらくは明るい地獄をつとめましょうで。


そんだけ。