生玉子五十円

 
昨日のこと。


四天王寺の帰りに天満に寄って、もう一つ用事を片づけて、吉野家で牛丼並は三百八十円。


午後の一時も過ぎとった。


ネクタイ締めたオッサンが、ややヘロヘロになって入ってきた。


さぁ牛丼大盛をかっ込むぞぉ~と体勢を整えた時に、オッサンの携帯が鳴った。


「わかりました。今から伺います」と携帯を切り、しばらく呆然としておった。


仕事先のトラブルかなんかであろう。


フッと息を吐いたオッサンはおもむろに・・・兄ちゃん、生玉子おくれ!


牛丼大盛りに生玉子ぶっかけて、ワッシワッシと食って店を飛び出した。


オッサン、生玉子五十円ぶんだけ報われたらええなぁ思いながら、こっちも牛丼並をかっ込んだ。



そんだけ。