四千五百円

 
今年の夏限定の三億円引換券五十枚を窓口に持っていったが、四千五百円でしか引き換えてくれなんだ。


ビョーキ男の頼みで買い続けている宝くじ。


<買わなきゃ当らぬ宝くじ>らしいけど<買わなきゃ得する宝くじ>状態が続いてる。


ヤツはいつまで続けるのやろか?


夢を買うてるんや!とワケワカランことゆうてるけど、夢なんぞ、そこいらになんぼでもタダで転がって


るちゅうねん。


頭がヤヤコシクなりそうやったので、四千五百円握って、駅向こうの立ち飲み屋に入った。


この店、客は普通やけど、店の者が訳ありのようで、場末の立ち飲み屋らしい空気が漂っている。


この頃は、飲みたくもないけど酒でも飲まんとのような客に、居心地のエエ店が減ったような気がする。


ビィル飲みもって、豆腐をグチャグチャにしながら、そんなことを思うた。



そんだけ。