み ん ど
まいどです。
虎が調子こきだしたら梅雨も逃げよりましたなぁ。
はい。
今日はこっちに事情があって、F元君が家とこまで来てくれたんでちょこっと飲んでました。
安モンの立ち飲みで気ぃ良う飲んでたら、隣の客が「民度」などとほざきよった。
民度。
オッサンが嫌いな言葉のベスト・テンに入るか入らんか。
とりあえず、ベスト・ツェンティには入る。
そんなことで、隣のオッサンと言葉のボクシングしてもうた。
なんちゅう上から目線。
要するに、あんさんに何らかの妄想があって、その思惑通りに行かへんかったら「民度が低い」ちゅうわ
けや。
アホ臭い。
ほな。
五月六月頃までは海の物などまだすべてがヤミに流れることもなくて、三日に一度くらいは鰯の配 給もあって、配給の触れがまわってくると、家の者たちはいそいで販売所まで買いに行った。 おなかの中の子が生長したら、そうした苦しい日、その親たちがよい生活を築くために苦心したこ とをも語りきかせようとも思っていた。 世の中の秩序は乱れ、道徳は退廃したと言いつつも、私たちは村の中にあって、家庭の中にあって よりよい生活を打ち立てるのに懸命であった。 恐らく日本の村のどこも今までに見られぬ真剣な努力が、暗いもの、よこしまなもののみなぎるな かにおいて、行なわれていると思われる。それがやがて村人たちに明るい平和なものを取り戻す力 となるであろう。 われわれはそうしたささやかな努力のあとを子供たちの上に刻みつけて意志の強い愛情の深い人間 たらしめたいと思っていた。 -宮本常一「萩の花」