キ タ
しばらくなんやかやと用事を片づけていたけど、私もキタの人間なんで動くには梅田に出てからになる。
改装前は阪急のある屋内通路をヘコヘコと歩いていけば阪急東通商店街はすぐやったけど、今はもの凄く
迂回せんと商店街にはたどり着けん。
そうなると、はじめての人はワカランやろなぁ思う。
かわりに茶屋町界隈に客が流れてると少し前にTVのニュースでやってた。
サンにどつかれたという商店街であり、私にとっても何かと恥ずかしい記憶のある商店街でもある。
それにしても、この頃の梅田界隈にはついて行けんようになった。
柳吉はうまい物に掛けると眼がなくて、「うまいもん屋」へしばしば蝶子を連れて行った。 彼にいわせると、北にはうまいもんを食わせる店がなく、うまいもんは何といっても南に限るそう で・・・織田作之助『夫婦善哉』より
ほんでも「北にはうまいもんを食わせる店がない」という、柳吉は梅田新道の化粧品卸し問屋の息子であ
り、蝶子は曾根崎新地の芸者であって、二人ともキタの人間。
大阪駅は梅田にある。本当は北浜辺りに駅を作る計画やったらしいけど、日本全国どこでもそうだったよ
うに、「火を吐く車」が停まるようなとこを町中に作ってもうたら困るという反対があって、人里離れた
所だった梅田に作られたらしい。梅田はむかしは埋田とゆうてたそうだ。
たキタは、織田作の「大阪」の中では、どないなもんやったんやろ?
ダイラケの漫才みたいに、「キタ阪急ゆうなら、ミナミは大丸」のような違いなんやろか?
ほな。