正 宗 屋

 
坪内祐三の『大阪おもい』を読んでたら、いきなり天満の正宗屋と中島らもが出てきた。

大阪は天満の正宗屋で、一杯やりながら、中島らもと対談という「関西ぴあ」の企画だったらしい。

対談を希望し楽しみにしていた坪内裕三だったけど、その前に中島らもさんは、酔っぱらって階段からこ

けて、そのまま逝ってしもうた。

天満の正宗屋は、中島らもさんの行きつけの店だったらしいけど、今はない。

けど、天満界隈には正宗屋的な店はまだまだ残っている。


安いけど美味い!という言い方を普通するけど、美味いけど安い!のような店。


正宗屋はチェーンかどうかは知らんけど、けっこういろんな町にある。

よう行ったのは、梅田は阪急東通西中島南方と三宮の正宗屋。

阪急東通の正宗屋は、ある時から若い娘が働きだしたので「大将、えらい若い娘入れたんやなぁ」と言う

たら、大将がニコニコしながら「これ嫁ですねん!」。

親子ほども歳が離れてたし、嫁ハンがずいぶんとエエ感じやったので、「ワシも正宗屋やりたいなぁ」と

思うたのが30年も前の事。


正宗屋は、吉田類の「居酒屋漂流記」に出てくるような店から、もう少しずれた店。

こないだ、新世界のジャンジャン横丁をちょっと外れた所にあるカウンターだけの店のガラス戸に<モー

ニング・サービス 酎ハイとドテ焼380円>と貼り紙あったけど、そんな感じの店。


中島らもに『せんべろ探偵が行く』があるけど、こっちに出てくるような店。

・・・「せんべろ」は千円でベロベロになれるような飲み屋。

中島らもさんの「せんべろ探偵」を、もう少し続けて欲しかった思うてる。


ほな。