空  蝉

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  うつせみ 【▽空▼蝉】
        〔補説〕 「うつしおみ(現人)」の転。「うつそみ」とも。「空蝉」は当て字  
   [1] (ア) この世の人。生きている人間。
       ・ ―と思ひし妹が玉かぎるほのかにだにも見えなく思へば〔出典: 万葉 210〕
      (イ) 人間の生きているこの世。現世。世間。
        ・ ―はもの思(も)ひ繁し〔出典: 万葉 4189〕
   [2] 〔補説〕 「空蝉」「虚蝉」と表記したところから
      (ア) 蝉のぬけ殻。[季]夏。
        ・ ―を妹が手にせり欲しと思ふ〔作者: 山口誓子
        ・ ―の身をかへてける木の下に〔出典: 源氏(空蝉)〕
      (イ) 蝉。
        ・ 夏は―なきくらし〔出典: 古今(雑体)〕

                    [ 大辞林 提供:三省堂 ]