またも負けたか

 
またも負けたか八連隊・・・という風説があったのを、通りがかりさんのコメントで思い出した。

うちのオトンは八連隊やったはずや。

センソーのことほとんど言わんかった。

テレビでも映画でも、センソーもんは反戦も好戦も、どっちがどうでも観いへんかったような人やったけ

ど、小さい頃にそうきいた覚えがある。

またも負けたか八連隊出身のオトンはセンソー終わって阪神ファンとなった。

またも負け続けた。


虎は虎視眈々やのうて虎視淡々やったし、一日に北千里くらいしか走る力もなかった。

戦後も東京の後追いと尻なめを続けて、死にそうなほどのロードーだけで成り立ってた街、大阪。

そんな大阪の阪神ファンに支えられながら、肝腎な時に限って阪神は負けた。


人生に勝てない見本のような阪神と生活に負けてばかりのオトン。

負けてばかりの阪神を、見捨てるか?見限るか?

それは、負け続けてばっかりの自分を見捨てることやし、見限ることや。

そやからオトンは阪神ファンをやめられへんかった。


1985年。


ハレー彗星がもっとも地球に接近した年に、異変が起こった。

阪神は優勝した。

なんの前触れもなく。

それから何度か阪神優勝を経験はしたが、あれほど美しい優勝はなかった。

街中が黄色と黒で溢れかえった。


黄色は皇帝の色。


黒は無政府主義


その二つの色が大阪を埋めた。


久し振りに大阪らしかった。


あんなん、死ぬまでにもういっぺんやらなアカン!




ほな。