新古今集断想 ― 藤原定家/安西均 「それが俺と何の関りがあろう? 紅の戦旗が」 貴族の青年は橘を噛み蒼白なる歌帖(かいえ)を展げた 烏帽子の形をした剥製の魂が耳もとで囁いた 燈油は最後の滴りまで煮えていた 直衣の肩は小さな崖のごとく霜を滑らせた …
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