孤低の人

佐藤春夫辻潤を評した文でこう書いてます。

「彼と太宰との差は太宰が朴訥な田舎者で自己を語るにヤボな小説体を以ってした所を、辻は翻訳や随想

雑記でした点であろう。」


辻潤太宰治の一致、重なりを指摘する人はけっこういる。


私は、それほど太宰を熱心に読んでいないから、そうかもなぁ程度だ。

太宰自身は、以前も引用したがこんな事を書いている。

「十七歳の頃、マルクスとレエニンに心酔しました。(命を賭(と)して。)……ところが、十八歳にな

ると、また『芥川』に逆戻りして、辻潤氏に心酔しました。」(『虚構の春』)


そして、こないだ読んだのが『徒党について』だ。

まいった。

太宰はん、あんたはやっぱりすごいなあ。

「友情。信頼。私は、それを「徒党」の中に見たことが無い。」

で終わる短い文章ですけど、ぜひ読んでみて下さい。

http://www.ne.jp/asahi/anarchy/anarchy/data/dazai1.html


そんだけです。