必死のパッチ

 
よく、こんな会話をします。


きょうは、どつぼにはまってもうて、必死のパッチやったなぁ。

  ほんま涙ちょちょぎれるわ。

だいたいやな、お前がややこい時にちゃちゃいれるからこないなんねんど。

  ほんま、すまんかったのお。ほんでもワシもけたくそわるいわ。

しゃぁない、アホほど飲んだろ。

  それやったら、ワシも連れてってえな。

ほな、7時に紀伊国屋のビックマンの前で待ちきろか。


・・・まあ、何の変哲もないフツーの会話です。


気になるのが【必死のパッチ】です。調べました。

はてなダイアリー】にはこうありました。
      →http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C9%AC%BB%E0%A4%CE%A5%D1%A5%C3%A5%C1

関西における「一所懸命」の最上級語。この場合のパッチは強調語であり、股引の意ではない。

え~と、さっさと、話の落ちがついてしまいましたので困っております。


【よろずデータベース・ことば編3】という時々見ているサイトではこんな事書いてました。
      →http://www2g.biglobe.ne.jp/~gomma/data1c.html

私も「語呂合わせ」のような気もするのですが、「股引姿のおっちゃんが必死になっている姿」が目に浮

かぶようです。ちなみに「大阪ことば事典(牧村史陽著)」には、「パッチ=長い股引の称。朝鮮の褌襠

(pachi)から来たもの、あるいは英語のパンツ(Pants)の転ともいう」とありました。褌襠とは、韓服

のパジチョゴリのパジのことでしょうか??。


ん?褌襠ってフンドシ違うか?

水上勉の名作『越中ふんどし恥知らず』って読んだことあるし、佐久間良子の映画も観た。

あっ、ありゃ『越後つついし親知らず』やったか。間違えました。


気になったから、もうちょっと調べてみた。

青空文庫泉鏡花『夜行巡査』に「おらあ別に人の 褌襠(ふんどし)で相撲(すもう)を取るにもあた

らねえが」とあったから、やっぱりフンドシや。


でもフンドシはふつう<褌>って一文字で書く場合が多い。

で、もうちょっと調べてみた。

【肝冷斎雑志へようこそ】というところに、その説明らしきものが書いてあった。
  →http://www.geocities.jp/kanreisai/nikki.18.4.htm

「褌襠」について、もうちょっとマジメに解説しますと、まず、「釈名」にいう「褌(こん)は貫(か

ん)なり。両脚にて貫き、上は腰中に繋る」と。なるほど。一方、「襠」については、同書は「その一は

胸に当たり、その一は背に当たる」と解説していまして、なんじゃ、これは。という感じがしますが、こ

れは「裲襠衣」という衣服(漢のお美女さまの趙飛燕が着た、というからオンナのひと用。いわゆるシュ

ミーズに該当)の解説でして、「褌」とセットになるときの「襠」ではなさそうです。

その陰処に当たるを「襠」(念のため言っておきますが常用漢字の「当」の旧字というかホントの字が

「當」)と為し、その縫い合わせたる者を「袴」となし、短きものを「犢尾」となす。

とありますので、陰部に触れるタイプのものが「襠」らしい。

洗?汁は毒箭を解き、併せて女労復す。ふんどしの洗い汁を服用すると、毒矢の解毒になり、また、女性

の過労状態を治す。のだそうです。誰か試してみてもおいらはかまわないよ。


ということらしいです。古い文書を、こんなふうに読めたらええなあといっつも思うたりします。

なんとか、記事が書けました。

必死のパッチです。^^;