さ け

   
少し時間が取れたので、アホ友達の事務所を冷やかしに行って、それから天神橋商店街を歩いた。

あいだに4軒ほど古本屋があったりするのでけっこう楽しかったりする。

吉行淳之介の『子供の領分』(集英社文庫)が100円であったので買った。

本自体もきれいだった。

平凡社の『日本残酷物語』が何故か全五巻揃いで3000円。しかも美本だ。買おうかどうしようか悩んだ。

買った。

四六判ケース入りで全五巻だから、けっこう重い。


帰りしな、キレイなオネイサンがやっている<元立ち飲み>で、ビールでもやっつけて、とっとと帰ろう

と思って急いでいると、五年ぶりか、いやもっと前か?知り合いに声をかけられた。

ところで<元立ち飲み>というのは、あまりにも売り上げが悪いので、原因を立ち飲みと結論して椅子を

置いたのだ。でも原因はそんな所にはなくて、ママともう一人の娘目当てで来る客が大半で、ずっと居

座ってるから回転率が悪いだけなんだと思っている。


そんなんで、久しぶりに会った男とそこに行って飲んだわけだ。

いきなり暮らし向きの話だ。それから酒の肴の「あの人は今頃」シリーズと。

仕事の話を聞くのは嫌いではないけど、本人が面白がってもいない仕事の話は嫌いだ。

そんなわけで、どってことのない話ばかりをグダグダとした。つまらんかった。

うまくない酒だった。

でも、やっぱり酒は飲んだら酔う。

そんだけ。