藤山寛美のこと

   
藤山寛美が亡くなった時、立川談志が「大阪の人間にとって、通天閣が無くなったようなもの」というよ

うな発言をしたらしい。

たしかに、寛美やヨシモトは生活の中で、当然のようにそこにあるものだった。

ただ、若い頃は寛美は可笑しかったけど、人情喜劇みたいなのは好きではなかった。

大阪の人間ならわかると思うけど「さぶイボ」が出た。

何かのきっかけで、寛美の芝居にビックリしてからは、機会があるたびに観るようになった。

渥美清の芸は、うまくなるほど自己完結的になり、保守的になっていく。

芸とは、そういうものだろうか?

その疑問にぶつかった者は、渥美清より一年遅く生まれた、生まれながらの役者・藤山寛美の芸に目を向

けなければならない。

そんなことを、小林信彦は『日本の喜劇人』で書いていた。

藤山寛美という喜劇人は、伝統を継承しながらも、その伝統を揺さぶり続けた人かも知れない。

そんなふうに思った。


おまけ・・・マルクス兄弟


You TubeでMarx Brothersで検索したらけっこうありました。

以前、nietzsche_rimbaud さんの記事のコメントで、マルクス兄弟の誰かが高級クラブの会員に誘われた

ら「オレを会員にするような店は大した店ではない」と断った(ウロ覚え)という逸話を書いてはった。

筋金入りの人かも知れんなぁ。

【Harpo & Chico - A Night At The Opera