春野仲明

   
「漫才師、横山エンタツは医者の息子で、当時の漫才師のなかでは例外的に、中学校(旧制)に学んでい

る。これは漫才師としてはきわめて珍しいことだったわけである。」

富岡多恵子の『漫才作者 秋田實』にそう書いてあった。


この所、横山エンタツ秋田實の出会いが気になっている。

横山エンタツと組んだのは花菱アチャコであるし、そのコンビは最高だけど、漫才の台本という意味では

エンタツ秋田實の出会いの方が気になるのだ。

エンタツアチャコの漫才は、初めて、舞台以外の媒体(ラジオ)で受けたと思っているし、その仕掛け

を作ったのがエンタツ秋田實だと思うのだ。


特に関心を持ったのがエンタツだ。

息子の花紀京は、父のエンタツをこう評している。

「親父は全ての芸人さんを尊敬していました。なぜなら親父には決定的な芸がなかったから」、うろ覚

えだけど、そんなことを言っていた。

どうも、こういう屈折率の人に、私は弱いのだ。


で、何かと読んでいると、間抜けな自分を見つけてしまったのだ。

秋田實のことだ。

秋田實には、ペン・ネームが、かなりあり、定着したのが「秋田實」ということだったらしい。

その他のペン・ネームは・・・

   春野仲明→ハルノ・ナガメ

   夏山茂→ナツヤマ・シゲル
 
   夏輪篤→ナツワ・アツシ

   秋田實→アキタ・ミノル

   冬賀北蔵→フユガ・キタゾウ

これだから、作家という生き物はタチが悪い。私のような純情可憐な好中年を弄んだりする。

ん?やっぱり気付かなかった、私が間抜けか。


ところで、援軍が去ったので、本日よりオトンの添い寝に私が指名された。

というか他にはおらん。

では、大奥へ。


そんだけ。