スエさん

   
毎夜、爺さんの独り語りを聞いております。


西九条のうどん屋の小倅のノーミソから絞り出された話が、口承文学になるわけもないけど、ほぼ諳んじ

る事が出来るようにもなりつつあります。

忘れようとして思い出せない話を次々と語っております。

意味も脈絡もないですけど、さすがに親子であるせいか、情景を思い浮かべることが出来たりします。


ところで、一つだけわかったことがあります。

前に書きました「三番目の女」の名前と素性です。

名前は「スエ」と言います。

どう考えても、爺さんの母親です。

となると、爺さんが、自分の周りに三人の女がいるというのは、母親と嫁と娘のことになるのです。

それは、寂しい限りです。

妄想の中だけでも、エエ目をして欲しいのであります。

私ならそうしたいと思うのです。


そんだけ。