あ め

 
朝も早ようから、蝉が鳴いて、それを応援するように日差しも夏らしくなった。

と思ってたら、急に曇ってきた。

とにかく、ここしばらくは雨がよう降った。


雨。


カスケーズの『悲しき雨音』、CCRの『雨を見たかい』、カーペンターズもあったし、三善英二の

『雨』なんちゅうのもあったなぁ。

そうそう、『悲しき雨音』は、スーパーで働いてた頃を思い出す。

これが流れたら「お~い、雨やぞぉ、気合い入れて売上達成せいよ。それと低人はん、傘売るから、売り

場のアチャコチャに出しといてやぁ~」の合図やった。



で、北原白秋の『雨』。



  雨がふります、雨がふる。
  遊びに行きたし、傘はなし。
  紅緒のお下駄も緒が切れた。
 
  雨がふります、雨がふる。
  いやでもお家で遊びませう。
  千代紙折りませう、疊みませう。
 
  雨がふります、雨がふる。
  けんけん小雉子が今啼いた。
  小雉子も寒かろ、寂しかろ。
 
  雨がふります、雨がふる。
  お人形寢かせどまだ止まぬ。
  お線香花火もみな焚いた。
 
  雨がふります、雨がふる。
  晝もふるふる、夜もふる。
  雨がふります、雨がふる。




雨が降って、傘がなくて、下駄の緒が切れて、線香花火も終わってしもうて、それでも降ってます。

しつこい雨です。

もう、どうにも、外に出られないです。


ほんでも、この辛気くささ、妙に懐かしい気分になったりする。

だいたい、線香花火だけでも、もの悲しいのに、それを雨の日、外に出られなくて、家の土間でやってる

姿は、もっと、もの悲しい。


私は、なんでか、この歌みたいに、雨に懐かしいもん感じて、嫌いではなかったりする。


それにしても、この歌詞。最後の最後まで降ってますなぁ。

  雨がふります、雨がふる。
  晝もふるふる、夜もふる。
  雨がふります、雨がふる。



どんだけ~。


・・・ちゃう


そんだけ~。