ぐつ悪い

 
あけたら、あかんがな!


・・・について書こう思うたけど、小話が浮かばんかった。


やめとこ。


とりあえず、<ぐつが悪い>についてにしとこ。



ぐつが悪い>はgooの辞書では、こうなってた。
  ぐつ 
 〔主に西日本で用いる〕ぐあい。都合。
 「―が悪い」

まぁ、そんなんらしい。


〔主に西日本で用いる〕とあるから、決して大阪弁ともいえないのかも知らん。

最近の若い人が使こうてるかどうかはわからんです。


それより、「ぐつ」ってなんやろ?が気になった。

調べてたら、「ぐつ」は都合の倒置か?というような事が書いてあった。


それなら、ジャズをズージャとか、ハワイをワイハなんて言うのと同じで、逆さ言葉ってことか。

ショバ代=場所代、ダフ屋=札屋なんかと同じやなぁ。


そんな、「ぐつが悪い」の基本的な使い方です。



  母親の浴衣を借りて着替(きか)えると、蝶子の肚はきまった。

  いったん逐電(ちくでん)したからにはおめおめ抱主のところへ帰れまい、同じく家へ足踏み出

  来ぬ柳吉と一緒に苦労する、「もう芸者を止めまっさ」との言葉に、種吉は「お前の好きなよう

  にしたらええがな」子に甘(あま)いところを見せた。
 
  蝶子の前借は三百円足らずで、種吉はもはや月賦(げっぷ)で払う肚を決めていた。「私(わて)

  が親爺(おやじ)に無心して払いまっさ」と柳吉も黙(だま)っているわけに行かなかったが、

  種吉は「そんなことしてもろたら困りまんがな」と手を振(ふ)った。

 「あんさんのお父つぁんに都合(ぐつ)が悪うて、私は顔合わされしまへんがな」柳吉は別に

  異を樹(た)てなかった。

  お辰は柳吉の方を向いて、蝶子は痲疹厄(はしか)の他には風邪(かぜ)一つひかしたことはな

  い、また身体(からだ)のどこ探してもかすり傷一つないはず、それまでに育てる苦労は……言

  い出して泪の一つも出る始末に、柳吉は耳の痛い気がした。



これは、織田作之助の『夫婦善哉』です。


関係ないけど、『夫婦善哉』の柳吉と蝶子夫婦の関係を今風に理解して、柳吉を「アホ・ボケ・カス」と

する人もぎょうさんいてはります。

ほんでも、それ言うんやったら近松の話なんか、やったらあかんことの総まとめみたいな話です。

やったらあかんことを、やってもうてアノ世にいくことに、なんや知らんけどカンドーしたりするんや

思います。



それから、織田作の回想録は、ウラアオゾラ・ブンコで読めます。


太宰や坂口安吾も書いてます。オモロイです。




ところで、明日、バージョン・アップした爺さんが帰ってくる。


ちょっと、ぐつ悪い。



そんだけ。