たのしみ

 
ドン・キホーテ』と『素白随筆』が借りたままになっている。

両方とも、ブログで教えてもらって読んでみたくなったもの。

借りたままで、少ししか読んでない理由はとくにない。

本を読むは、私には酒を飲むとおんなじような具合だから、「この頃は調子悪くて、酒飲んでないなぁ」

というようなことかも知らん。


ほんでも、昔からの癖で読まなくても手元に本がないと落ち着かない。

近所に買い物に行く時も、何か一冊と手帳は必ず持って行く。


毎日、爺さんのいる病院に行っている。

電車で小一時間ほどかかる。

いつも、辻潤を持って出る。

これも読むわけでなく、パラパラとめくってる程度だけど。


「無思想のみが、憑きものから己を脱却させる」

「一切の価値は、ただ自分の創造するもののみだ」

「無理想が理想だ。動物のように無邪気に自由に生きることだ」


なんて書いてあると、ニコッとしてしまう。


大宅壮一辻潤の文章を「平明であるが高度な、絶望的であるが明るい、滅茶苦茶のようでいて統一のと

れた-常人には真似の出来ない天才的な」ものと書いているそうだ。


高度であるかは私にはわからんけど、「絶望的であるが明るい」はほんまやなぁ思う。


ところで、毎日爺さんの所に行くのには理由がある。

今日明日の生き死にの問題があるわけではない。

さびしいのだ。


・・・わたしが。


そやから、毎日少しの間、爺さんに遊んでもうてるのだ。

明日も行ったろ。



そんだけ。