或るアホ

 
だいたい8月くらいには、実生活がいったん行き詰まる。

それはわかってる。

だから、姉ちゃんも「今から働け!」という。

ほんでも、いっこも仕事する気がない。


ここまで生きてきて、先を予測して事前に準備する人間ではないということはわかってる。

切羽詰まらないと動かない。

そやから、今うごいてないというのは、けっこう私も学習機能がついたなぁと思ってるんやけど、姉ちゃ

んは「アホかぁ!」という。


まだまだ自分を好きではないのやろ思う。

ホンマに切羽詰まって<もうどうでもええわい!>状態にならないと、あかん人間である。

すこし情けない思う。

あっ、自分に対して情けないということやけど。


中学校の頃、芥川の『或る阿呆の一生』を買おう思うて、「あの、『或るアホの一生』って、どこにあり

ます?」ときいて、けっこう受けた。

店の人が笑いながら、「兄ちゃん、それアホやのうてアホウやで」と教えてくれた。

いまだに、アホとアホウの違いはわからん。

できたら、寛美が演じるようなアホになりたい思う。


ところで、『ボマルツォのどんぐり』という本が出たらしい。

ネット調べたら、目次がこうなってた。

   花さき鳥うたう現実を拾いに―永田助太郎ノート
   寺島珠雄さんの振れ幅
   辻潤と浅草
   一人称単数カモイヨウコ
   渡辺武信―ある建築家の住居論
   空想の選択―「黄色い本」と「空想家とシナリオ」
   蝙蝠飛ぶ柳の下にタルホとハルオは出逢ったのか
   カメヤマイワオさんからの手紙
   戦後民主主義の少女と手作り
   ぼくは背広で旅をしない〔ほか〕

扉野良人という人の本だそうだ。

あと、『闇こそ砦 上野英信の軌跡』川原一之というのが、大月書店から出たらしい。

明日、本買いに行こう。



これからは、ホンマの意味で<場当たり>でやっていくのだ。




そんだけ。