飄々、淡々、超然

 
  小説というものは書くことがないと困るものである。三日机の前に坐っていようが、七日坐って

  いようが、一行も進まない。


木山捷平の『下駄の腰掛』を読んだ。

冒頭はその書き出し。

この書き出しから、嫁ハンに自分のキャンタマを握らせて感想を聞くなんて展開があり得たりするのが、

木山捷平かも知らん。


図書館から借りてきた、ちくま日本文学全集の「木山昇平」。

東海林さだおの「飄々、淡々、超然」という後書きがあって、これも面白い文章やった。


木山捷平の「思想なんてものを持つから駄目なんですよ」が頭に残ってるけど、私はそんなのばっかり覚

えてるのも事実。

エエ加減に抜け出なアカンなぁ。


木山捷平で思い出すのが、totubonoiikenさんや。

元気にやってはるんやろか?


そんだけ。


●kobacyouさんに記事がありましたので【転載】しときました。




    五十年

 濡縁におき忘れた下駄に雨がふつてゐるやうな

 どうせ濡れだしたものならもつと濡らしておいてやれと言ふやうな

 そんな具合にして僕の五十年も暮れようとしてゐた。

                                 -木山捷平