ベンゲットの他あやん
織田作之助の『我が町』に登場する。
映画にもなった。
監督は『幕末太陽伝』の川島雄三。
川島と織田作は助監督時代からのつき合いで、川島のデビュー作の『還ってきた男』の原作も織田作。
映画の『我が町』で「ベンゲットの他あやん」を演じたのは辰巳柳太郎。
どっかの映画館で観た、どこやったか忘れた。
下町、頑固、人力車・・・こういうキーワードで括ると、安モンの人情劇のようでもあり、演じているの
作品をどうみるかは人の勝手やからそれはどうでもええけど。
ほんでも、「ベンゲットの他あやん」は「無法松」とはちゃう。
「ベンゲットの他あやん」は自分の事情で生きてきた人だ。
世間の事情は二の次のこと。
そやから、周りの人は少し不幸になるらしいけど、他あやんにその自覚はもちろんない。
わけわからん。
ワケワカランのは他あやんや周りの人のことやなく、そんな人の世がワケワカランということ。
好きなことやって死なん程度に飯食えたらそんでええ。
そんな具合に思うてる。
けど、そんなうまい具合にはいかん。
そうすると、それはシャカイが悪いからです!と言うてくる人もおる。
そんな話しに乗ったこともあるけどやめた。
それは筋の違う話しや思うようになったから。
一方で、辻潤は餓死した身体を虱に食われているのを発見されたような具合だ。
でも辻潤は最後まで自分の事情で生きた人だ。
それは主義主張を押し通すよりも、ひっそりとしてるけど、大変な事やと思うてる。
主義主張なんぞ、つまりシャカイの事情でしかないのやから。
昨日は、姉が兄でもあるビョーキ男の世話をしてくれるというので、久し振りに時間が出来た。
四天王寺から新世界界隈を歩いた。
ぎょうさんの串カツ屋が出来てたけど、そんな観光地化された新世界に興味はない。
四天王寺の近くで、入るのに勇気が要るような食堂に入った。
こういう店の当たり外れは7:3の割合。
3の比率の店に当たったらうれしくなるけど、7の方やった。
失敗した。
そんだけ。