うずみどうふ

 
今年の夏に冷奴の熱いご飯のせは美味いと書いた。

ほんまに美味いけど名前がない。

「奴丼」では能がないし、「和風麻婆丼」は言い過ぎ間違いない。

自分の名前を付けて「低人丼」では悲しすぎる。

そんなことで、大坂のオッサンの家飯レベルにとどまっておる。

こんなん名前と盛りつけで何とでもなんねんけどなぁ。


そんな具合な、暑は夏いなぁという今年の夏に読んだのが、湯木貞一『吉兆味ばなし』。

これホンマにおもろかった。

なんせ湯木貞一の話を花森安治が直接聞き書きして編集した本。発行元は当たり前田で暮らしの手帖社。

ここに、冷奴の熱いご飯のせの冬バージョンのようなのがあった。

こんなん。

    「熱いとうふ、熱い汁、熱いごはん」

  とうふは熱いお湯で暖めるだけです。それでそのままお湯を切って、お椀に盛って白みそをはっ

  て、ご飯をのせます。するととうふはかくれてしまいます。その上にのりをちょっとのせる、と

  うふは見えないようにうずめてしまうので、<うずみどうふ>というわけです。

                           -湯木貞一『吉兆味ばなし』より


うずみどうふ

名前がかっこよろしいなぁ。ほんで安上がりやし。

尚かつ、酒飲みにはちょうどええ具合な丼でもある。


元料理人の爺さんに遺産はないけど、味噌、醤油、海苔、昆布・・・はぎょうさん残ってるので、本日決

行します。

ビョーキ男がゴチャゴチャゆうたら、黙れ!これはなぁ、あの吉兆の…と能書きたれて黙らします。



ほな。