喪中葉書

 
爺さんの十代の頃を知っている人が二月に亡くなったと葉書が来た。


もう爺さんの十代を知る人はいないはずだ。


爺さんの十代はこの世から消えた。


   私が死んでしまえば

   わたくしの

   心の父はどうなるのだろう (山崎方代)


どうなんのやろなぁ?思うけど、そんなことでええんやろ。


死んでからも、爺さんは記憶を少しずつ解放していってるのだ。


ニンゲンから足を洗ってるのだ。


そんなんは、たぶん、おそらく、きっと、ええこっちゃ!



ほな。