ぼ く し

                                               
上原專祿『死者・生者』を読んでいたら、後書きに1970年の1月に上原專祿が真壁仁に宛てた手紙の内容


が一部紹介されていた。


この二人に交流があったこと、真壁仁が上原專祿の影響を受けたということも初めて知った。



1980年のはじめ頃のこと。


神戸は六甲山の近くで、「東北に、まだ真壁仁がいるではないか!」と私に言った人がおった。


その人とは、それからも約束であったり、偶然であったりしながらも会ってきたけど、その内途絶えた。


ただ、どこで何をしているかは互いに知っていた。


震災が契機になったかどうかは知らんけど、その人は稼業を辞めて牧師になった。


牧師になって、ここにおるという案内をもらったので、どこにいるかは知っているが、私の方が世の中の


底に沈んでしまって、会いに行くことも、連絡もせずで今に至っている。


真壁仁を読むより先に、その人に会いたいと思うて、今日長い手紙を書いた。



そんだけ。