ひ ち

 
昨日の昼、日本映画専門チャンネルで田宮次郎の『喧嘩犬』やってて、ちょっとだけ観た。

去年、低所得高齢者一家の所にもCATVが引かれて、TVと電話とネット3つまとめてどうや!とCA

TVの営業に迫られて入ったんで、そんなチャンネル観られるようになったのです。


田宮次郎、学習院大卒やのに大阪弁が上手いなぁと思うて調べたら、京都の鴨沂高校卒業やった。

この人の演じる大阪男。おっとこ前で、強ようて、おもろいの三つをクリアしてる。うらやましい。


そんなことに関係なく、映画の途中で電信柱の看板が目に入った。

ん?あれやったら近所にあったはずやと思うて携帯で撮ろう思うたけど、もうなくなってた。

看板にはこう書いてあるのです。

ひ  ち

前にも書いたけど、大阪は「」が「」になります。

そやから「おヒたしをおシたし言うてんで、東京の人間はけったいやのぉ」とは言えんのです。

で、ひ ちし ちです。

これ看板に「ひち」とあって、上の方に小さく漢字で質屋と書いてあることが多いから、東京の人は「ひ

ち」という屋号の質屋と勘違いすることもあるかもです。


坂本冬美は和歌山出身やから、夜桜お七を「おひち」と歌うのを矯正されたんかなぁ。


隠れ大阪人(何や、それ)を見つける簡単な方法もこれです。

一から十までを言わすのです。

いち、にぃ、さん、しぃ、ごぉ、ろく、ひち、はち、くぅ、じゅう…こんな具合です。


「あ~しんど。おい布団ひいてくれ」

「はい」

「何しとんねん?布団引っ張って」

「あんた今、布団引いてくれって」

「どアホ!布団を敷(ひ)けいうとんじゃ!」

「わわ私、実家に帰らせていただきます」

「おい、待て、待たんかい!待ってくれぇ~」

コテコテの大阪男とチャキチャキの東京女が暮らすようになって、こんな揉め事があったかどうかは知り

まへんけど。


織田作之助の『夫婦善哉-完全版』を読んだ。こないだ発見された続編が収録されている。

織田作の描く「幻の大阪」に強烈な謎が出てきたけど、上手いこと書けん。



ほな。