ワテも別の名前が欲しいんや!・・・と鼻クソのいう
毎度!鼻クソです。
まだまだ寒ぶおますなぁ。
ところで、目クソ・鼻クソ・耳クソなんて言いますけど、これワテだけ扱いが違いますねん。
長男の目クソには「目脂」、二男の耳クソにも「耳垢」ゆう名前がおます。
二人ともクソの両親から「お~い、目脂くん!飯出来たから帰えっといで」とか「耳垢ちゃん、風呂入
り!」と呼ばれて可愛がられてます。
そやけど、ワテだけはいっつも・・・「おい!鼻クソ」です。
これ、リリアンがよう言うてる<長男・二男・災難>ちゅうやつです。いや、ホンマに。
ワテも名前欲しいんや!
そんなことで、目クソには目脂、耳クソも耳垢という別名があんのに、なして鼻クソだけはクソのままな
んやろか?ということをボォ~ッと考えとったけど。
ワカラン?
その中に、私の好きな尾形亀之助の『障子のある家』がヒットしてたので、読み直した。
やっぱりええなぁ。
あるひは(つまづく石でもあれば私はそこでころびたい)
こんな具合にはじまる『障子のある家』。
「鼻糞」は最後の方の『おまけ 滑稽無声映画「形のない国」の梗概』に登場します。
該当箇所、少しだけ引用しますけど、よかったら読んでみて下さい。
このほかに「鼻糞大臣」これは鼻糞を乱棒に取つては衛生的でないといふので出来た大臣ですが、こ のほか色々の大臣がゐるのでした。つまらない大臣もあつたもんだと思ふでせうが、「紙屑大臣」だ つて「鼻糞大臣」だつて高い位であるばかりではなく、金があつてもつてがなければなれないし、つ てだけあつても金がなければどうにもならないのですから、なりたいと思ひながらなれずにゐるうち に死んでしまう人達だつてたくさんにゐたわけです。 こんな風にして、王様自身ですることがなくなつてしまひましたが、王様がなければ大臣もないわけ なのですからそこはぬけ目のない人達は、よつてたかつて王様は人ではなく、神様だといふことにし てしまひました。 大臣達は、自分の思ふまゝの世の中をつくり上げると、今度はそれを保護しなければならない立場に なりました。そこで色々な特種な法律をたくさんつくつて、足らなければその時に応じて又いくらで もつくることにしました。又、大臣の世襲といふことも問題になつたのでしたが、あまりよくない大 臣はもつとよい大臣になつてからそれをきめた方が都合がよいと思つてゐたのでまとまらずにしまひ ました。 -尾形亀之助『障子のある家』より
ほな。