身も心も

 
「身も心も」と私が書くと、安モンの歌謡曲みたいな感じがする。

「身も蓋も」の方が、私にはしっくりしてるかも知らん。

Body&Soul」は、やっぱりビリー・ホリディがいちばん好きです。


ところで、私は生身で生きてるオッサンやから、身と心は二つで一つ状態。

これは分け分け出来へん。

格別にオネイサンとだけゆうわけでなく、何にでも肉体の触れ合いと心の交流は二つで一つ。

これまで、やろうとして出来へんかったことや、追いつめられて死ぬかもなぁとか、殺されるんやろか?

と切羽詰まったことはあるけど、絶望したことはないです。


絶望とか失意とか挫折とか、そんなんは身と心は分け分け出来ないという事実を、出来んもんは出来んと

無理矢理納得させるようなもんやと思うてるから。

適わぬ夢とか恋とか、そんなんで絶望すんのは自慰的なことで、慰めでしかない思うてます。


一切は生きてる上の話です。


二つに一つの身と心がバラバラになるのは、死んだ人を前にした時。


棺桶に入った婆さんの死体をみてから、爺さんは急激に変わった。

そんな爺さんも、ほぼ半年後に棺桶に入った。

ここしばらくの間に二度ほど、私も身と心がバラバラになってもうたようなわけです。

触ることも、話することも、もう出来んです。

後になって、仏壇に手を合わせようが、詫びを入れようが、そんなんは生き残ってる自分への慰めみたい

なもんかと思うてます。


生きてると死んでるの溝は超えられんです。


死ぬまで生きよう思うてます。

そやからゆうて頑張ることもないです。相変わらずアホをやってるだけですけど。

生きていくことにしただけのことだということです。

そんなことでエエのや思うてます。

明後日は爺さんの一回忌。


そんだけ。