はものかわ

 
うざくは、鰻と胡瓜の酢の物。

大阪の安モンの飲み屋でも、うざくは普通に置いてある。

最近あんまり見かけんのが、鱧の皮。


「鱧の皮のざくざく」は、鱧の皮を刻んで胡瓜と和えた酢の物。

小さい頃食って感動したような覚えもないけど、大人になってから食ったという覚えもない。

そんなんやから、小さい頃から「鱧の皮」は身近にあったんやろと思う。

今での、スーパーで「鱧の皮」はパックに入って売られてたりもする。


「鱧の皮のざくざく」は、「うざく」と比較してどうこうということでなく、美味いです。

私の中では、酒の肴のベスト30には入ります。


ところで<歩いて五分の区立図書館の「大阪コーナー」本を全部読むキャンペーン>はまだ続いてます。

そんなキャンペーンの中で読んだのが、上司小剣(かみつかさ・しょうけん)


上司小剣に『鱧の皮』という作品があります。

これ大阪やなぁと思わせる小説です。


道頓堀の川魚料理屋の養子の福造は、ぎょうさん借金こさえて、嫁のお文と三人の子供をほったらかし

て、東京へ逃げてしまいます。

しゃあないから、お文は一人で店を切り回してるわけですけど、何年かして、その福造から無心の手紙。

勝手な無心の内容の手紙の最後に、こっちには、鱧の皮がないから送ってくれと書かれてます。

鱧の皮が、福造の好物やったのを思い出したお文は蒲鉾屋に。


「鱧の皮の二杯酢が何より好物だすよってな。・・・東京にあれおまへんてな」(上司小剣『鱧の皮』)


その、上司小剣は昭和22年(1947)の昨日、9月2日に亡くなってはります。



ほな。