『辻まことマジック』
琴海倫さんの『辻まことマジック』(出版・未知谷)を再読した。
最初に読んだ時は、よっしゃぁ!西木正明の『夢幻の山脈』を蹴飛ばすよ
うなんが出たぞ!と思うた。
に出会うまでが書かれている。
な母と子の中で理解してるんで、それちゃうやんと思うてたから。
らと多い注釈などなしに、簡潔に書かれている。
事柄も出てくる。
けど、この本の魅力は琴海倫さんが、辻まことと長く対話し続けたからこその一冊からと思うた。
伊藤野枝。
ど、伊藤野枝もおんなじような扱いが多いのだ。
良し悪しで論じる富裕層と、生きることを優先させなければならない貧困層とでは考え方が違っていた。貧困を実
感としてもちながらの意見には当然力が入る。野枝には、自分が言わなければ、他にいう人がいないという悲壮
感もあったのだろう。言わなければ実感のない人には、気がつきもしないことだった。P.121
辻潤の考え方は、わかりやすく、他のどんな考え方に触れても、私は私という考え方を支えてくれる。P.90
辻潤は、自分がどうあれば生きやすいのか、そのようにしたら、どういうことが自分の身に起こるのか、それを、
自分の体と心を使って確かめた。それは自分との闘いであるばかりか、世間との闘いでもあり、その苦しみか
ら、狂うこともしばしばで、それすら、辻潤は狂人のふりをしているだけだと言われ、しだいに相手にする人も少な
くなっていった。それでもそうすることをやめず、得た感触を文章にした。P.92
辻潤の美は思想にある。
ナオとの一致した見方だ。辻潤の考え方というのはわかりやすい。その考えに行き着くと、毅然として、ゆったりと
胸をはれるような気になる。思想的にはほれぼれする。P.10
ん?
辻まことのこといっこも書いてへんがな。
それについては、またの機会に。
とりあえず、古本屋で買うた『洟をたらした神』を、また読んだろ。
ほな。